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商品開発秘話

医療用フェイスシールドの製品化〜小さな勘違いからの始まり〜

2019年12月に中国で発生した新型コロナウイルス感染症によって、2020年4月末の現在も世界中の人々がこの病気と戦っています。横井パッケージがある埼玉県は全国で4番目に感染者数の多い県ですが、ある一本のメールを頂くまで、この病気と戦っている医療従事者の方々が、今どれほど切迫した状況に置かれているのか、想像さえできていませんでした。

都道府県別の感染者数(累計・NHKまとめ)

医療用フェイスシールド作りの経緯

きっかけは小さな勘違いから

当社のクリアケースをご購入されたお客様から、「違うものが届いた」というご連絡を受けました。出荷担当者が確認のためお話を伺うと、実はお客様がサイズの単位mmをcmと勘違いされていたことが分かりました。届いた荷物があまりにも小さいので、すぐに「違う商品が届いた」と思われたそうです。お客様が必要とされていたのは、とても大きなサイズのクリアケースだったのです。一体なぜそれほど大きなクリアケースが必要なのか、お話を伺ってみて、担当者は胸が痛くなったそうです。

フェイスシールド代わりにクリアケースを利用?

実はお客様は歯科医院勤務の方だったのですが、テレビでも報道されているように医療用のフェイスシールドが全く入手できず、悩んだ末に当社のクリアケースを頭からかぶってフェイスシールドの代わりにしようと考えられたそうなのです。それで、大きなサイズのクリアケースを探していたというお話を聞いて、絶句しました。クリアケースを頭からかぶったりしたら、安定しないし呼吸だって苦しいだろうに、そんなことを考えるほど追い詰められた状況なのか、と。

お客様の為に何かできないか考えてみた

ショックを受けつつも、当社で扱っているクリアは0.3mmのPET素材なので、人がかぶれるほど大きなサイズの箱は作れないことをお伝えしました。一旦はそのようにお断りしたものの、お客様のあまりにも切迫した状況を伺った担当者は、当社にあるもので何か作れないものかと考え始めました。

  • 箱にする前の平らな状態のPET0.3mmのシート
  • 仕切りに使うウレタン
  • 両面テープ
  • ゴム紐
  • ハトメ

これらのものをかき集め、試作品を作りお客様にお送りしたところ、大変喜んでいただけましたが、同時に改良点もご指摘いただきました。

医療用フェイスシールドの試作品完成

完成後改善点も発覚?

こちらが初期の試作品です。シールドが長すぎて、患者さんのお顔を覗き込む態勢の歯医者さんでは使いにくいことが分かりました。

サイズ変更をして商品を改良!

それでサイズを変更し、いくつか材料を仕入れ、より使いやすいものを目指して改良品を作り、お客様にお送りしたところ、とても使いやすいと太鼓判をいただきました。困っている他の歯科医院にも送ってほしいとのことで、残っている材料で作れるだけ作ってお送りしました。笑顔でフェイスシールドを装着した写真を歯科医院の先生方やスタッフの皆さんから送っていただき、本当にお役に立てて良かったと思いました。

急ピッチでフェイスシールドの製品化

当社がお届けできたのは、ほんの数十個のフェイスシールドでした。社内にあった材料は使い果たしてしまい、これ以上は製造できなくなってしまいました。しかし今、日本にはフェイスシールドが入手できず、大変なリスクにさらされながら現場に立ち続けている医療従事者の方が、たくさんいらっしゃるのではないか?パッケージ製造で培ってきた技術と材料の入手ルートがあれば、製品化してもっと多くの方にお届けできるのではないか?そんな思いで、急ピッチで始まったのが医療用フェイスシールドの製品化でした。

医療用フェイスシールドの制作風景

とはいっても、もともとパッケージを製造する工場なので、当社のフェイスシールドは全て手作りです。普段は紙を断裁したり、箱を作ったり、出荷作業をしている現場の従業員が休日に出勤して一つ一つ作っています。

大変ですが、医療従事者の方を守ること、それはつまり私たち自身と家族を守ることと同義であると考えています。いつの日か、この大変な日々が思い出になるその時まで、それぞれの立場で頑張っていきたいと思います。当社のフェイスシールドが新型コロナウイルス感染症の収束に、僅かながらでも貢献できることを心から願っています。

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